語学学校にて「Was sind Sie von Beruf ?(あなたの職業は何ですか?)」、なお、「あなた」は、ドイツ語においては、目上の人や見知らぬ人に対しては、Sie(それでもってこの単語は文中であっても頭文字は大文字!) を使い、同僚や友人に対してはduを使うので「Was bist du von Beruf ?」というのを習った。フランス語もvous やtuがありますね。ああ、ややこしい。ましてや名詞なんて男性、女性に加えて中性があり、さらには、用途によって定冠詞の格も変化するし、無駄に単語は長いし、でもその長い単語を区切ればそれぞれの単語の意味の組み合わせで一つの意味ある単語になっているのだよな、、、、というのはさておき、このder Berufは職業、日本語にもあるdie Arbeiteはこれも仕事ではあるのだが、職業ではなく、労働に値する。


それでもってこの質問は、さて、答えようとすると、私はうまく答えられないのである。Hausfrau(主婦)よ、といっても違うでしょ、と言われ、大学では何を勉強したの?と聞かれる。なぜ大学で勉強したことを聞かれるのかというと、スイスの教育システムというのは、お勉強をもっとしたいという人、何か手に職をつけたい人(具体的には、パン屋、花屋、電気工事屋、、、)、というのを決めるのが16歳。前者は、日本でいうところの高等学校に行き、そこを終了すると、これまた大学に行くか、専門学校に行くか、というのを決めるのである。これは日本と似たような感じかなと思う、が、如何せん大学に行く人はごくわずかであり、大学に行く人は、理系に関して言えば、学部で終わるなんて人は殆どおらず、そこで勉強したことが“だいたい”自分の職業となっている人が多いようである。後者は、職業訓練学校のようなところへ行き、それそうおうの技術を磨いていき“だいたい”それが職業となる。
こういう教育システムを受けてきたスイスの人にとっては、私が大学に行って勉強したはずなのに、なぜそれがあなたの職業になっていないの?というのがとてもとても不思議に感じるらしいのである。実際に語学学校のFrau Grafも、日本人の人はいつもそうなのよね、大学で勉強しているはずなのにそれがder Berufではないのよね。おかしいわよね。というのである。


職業を持つ、または、ある、ということが前提であると、何もしていませんというのはあまりよろしくない答えなのだろうなと思う。日本においても。でも日本においては主婦といえばそれで納得してもらえるけれど、こちらではそうはいかないので、大学で勉強したことうんぬん、ということを抜きに、der Berufをフルタイムの仕事と考えれば、Hausfrauは却下されたので、職業はないの。と答えればよいし、それでご満足いただけない場合は、日本にいたときの仕事を答えればよいのではないかと思う。でも、主婦を却下されるというのは、もちろん主婦が職業というのは難しいけれども、あまり納得できていない。だからといって、「わぁたくしたちー、しゅふはぁー、れっきとしたー、しょくぎょうなんざますのー!!!」といって、プラカードを持って口角泡飛ばして声だかに叫んだりはしませんけれど、そんなことしようとも思わないけれども、ひとりうんぬんかんぬんと考えてしまうのでした。




いや、それよりもドイツ語のフレーズや単語を覚えなさいって話です。