夫の人のラボのボス主催のクリスマス・ディナーがスペイン料理屋さんで開かれた。40名くらいが参加されたと思われるのだが、すべての飲食はボスの支払い。素晴らしい。レストランの地下室を貸切。その奥にはなんともかんとも外国の古い映画に出てきそうなボーリングのレーンが3レーンあり、ちなみにそのボールはボールは3本の指を刺して使用するのではなく、四角い穴があいているので、親指以外の指をガスっと入れて使用するもの、かつ、重さはどのボールも一定なので、君はきっと持てないよ、と言われた。せんかったけど。

秘書のIrmaさんにドイツ語で挨拶をすると、「んまっ!」といって喜んで、他のスタッフにも声をかけてRenataがドイツ語を習っているみたいよ、、といって、ほんのちょっとだけドイツ語で会話をする。でもすぐに苦しくなる。如何せん私には単語が足りなさすぎる。

私が着席すると、たぶんボスが気を使ってくれたのだと思うけれども、ボスが私の隣に座ってくれた、緊張しますけれども、ワインはボスが持ってきてくれて空になったらついでくれて、本当に気遣いのある方でございます。

料理は、まず最初に出てきた、たくさんのタパスの中で、私にとっては異彩を放っていたのが海老フライとカニカマ(フェイク・クラブ・ミート、だ)。これはスペインの食卓に日常的にでるものなのだろかと思いました。メインはもちろんパエリア。私は魚介のパエリア。久しぶりの海老(ラングスティーヌ!スイスはNo Seaなわけで)と黄金に輝くサフランライスが美しく絡み合って、とても美味しく頂きました。

プレゼント交換の前、みんなで「きよしこの夜」を歌う。いろんな国の出身の人がいるので、英語、スペイン語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、ルクセンブルグ語、チェコ語、日本語の歌詞が書かれた紙が配られ、それぞれ1番目の歌詞だけ歌うのだが、日本語はなぜか3番目の歌詞まで書かれていた。ボスはルクセンブルグ出身なので、ルクセンブルグ語の時になると、一段と大きな声で歌っておられました。

スタッフが帰宅の途についたので、私たちも帰ろうかとしていたら、Brianが、「まだいてね。」と声をかけてくれたので、そのまま残る。しばしの歓談のあと午前0時になったので、レストランをでて、Züruch Hauptbahnhofまで戻り、近くのバーに行く。何と、チャージ料金もなく、DJがおり、フロアがあり、バーカウンターもちゃんとしたところで、がんがん音楽が鳴っていた。みんな再び飲みながら狂ったように踊っておりました。悩ましげに踊るのはこちらの人の十八番なのだろうか、といつも思う。なぜならみんな悩ましげに踊っているからだ。私も踊っていると、アジア系の顔をした男性二人が、世界は私たち二人だけという雰囲気で、お互いの目線を熱く熱く絡ませ合いながら踊っていた。ゲイの方でした。私が彼らのなんともいえないむせるような熱い空気の横で踊っていると、彼らにおいでおいでとされるので、何かと思って耳を近付けると、「どこから来たの?」「日本よ。」「僕らはネパール出身。ここに住んでいるんだよ。君のダンスはうまいねえ。」と日本でダンスがうまいとか言われたことないです、と思いながら、彼らが誘う踊りに混じって踊る。しばらくして疲れたので、別のあいている空間に行くと、今度は私の目の前に女性がやってきて、ダンスの神様が降りてきたように髪を振り乱して踊っておりました。その隣には、また身のこなしが美しく、顔も美しいゲイの男性がこれまた悩ましげに踊っておりました。先ほどのネパール出身のゲイの方はどちらかというとおすぎとピーコみたいな感じである。その踊っている女性にもネパールゲイカップルと同じような内容を聞かれ、気持ちいいくらいに踊りを披露して下さいました。午前3時も回りましたのでそろそろ帰ろうかとしていると、この女性が「あなた、ここによく来るの?」「いいえ、初めて。」「私、週末はここで踊っているの、明日もここに来るからあなたもいらっしゃい。一緒に踊りましょう。」「オー、ヤー。」と言って別れた。行かないけど。
その後、Brianに誘われ、友人6人とシェアして借りているという地下室に向かう。街のど真ん中のこんな広い場所を何とおもちゃ箱のように使っているのだろうか。入るなり、いろんなん音楽のための機材が鎮座ましましており、ソファーがどーんと置いてあり、ターン・テーブルとミキサーがどーんとあり、壁一面にはレコード、レコード、レコードという垂涎ものの空間でした。Brianは趣味でDJもしており、最初に私のためだと言って、The ROOTSのThings Falls Apartのアルバムから流してくれた。うーん、やはりこのアルバムは格好良い。夫の人はThomasと話し込んでいたので、私は整然と並ぶレコードに目がきらきら。あれをずっと見ていても飽きない。Brianに聞きたいレコードがあったら渡してね。と言われたので、レコード係りは私、DJはJensとBrianという役割分担で、DJブースの後ろでレコードを選びつつ踊りました。家に戻ったのは午前6時。へろへろです。慣れない夜遊び。

この日は、私はお昼にArleneとドイツ語自主勉強会をし、その勉強会の前に、と、午前中にバナナケーキを焼き、私にとっては珍しくぼんやりしていない一日であった。こんな日もたまにはある。