夫の人が日本にいる時も知っていたインド出身のYogesh(ヨゲシュ)がこのZürichにおいてもこれまた同じ職場の別のラボで働いていたのだが、彼は当初からインドから外へ出るということを2年間位と考えていたらしくお姉さんだの結婚を機にインドに戻ることになったのでうちでささやかながら夕食会をすることになった。ちなみに先週はBrian & Simoneをお招きした、ぜ。私はYogeshとはこっちにきてとあるバーベキューの時に少しだけ会話をしたことがあるのだが、日本以外の方と食事をする際に料理をする側として気になるのはどの食材ならいいかよくないか、ということである。それ以外は何とでもなる、と思っている。これまでいろんな方をうちの夕食に招いたのだが、一度は相手側へもお呼ばれをしているので、その時の会話の端からこの人はこれは大丈夫かなとか日本食のここまでなら大丈夫かなという想像がなんとなくだけどできるのだが、今回のYogeshの場合は、そのバーベキューの時に、お肉は鶏なら大丈夫と聞いていたものの、みている限りでは手にはビールを持っていたこと、チップスも食べていた、という記憶しかないので、はたまたどんな食材は大丈夫かということを聞くのは愚問であるよなあと思っていたので、ここはワールド・ワイド・ウェッブに頼ってインドの方がどんなものを食べているのかというのを少し調べて、インド料理に挑戦することにした。私がインド出身の方にインド料理を出すというのは逆を考えればインドの方が私に日本料理を出すというのと同じくらい面白いことであると思う。

結果。Yogeshは私の似非インド料理を大変気に入ってくれた。お世辞ということばを日本滞在時に覚えていたかもしれないが、美味しいねえと、すべてを、特にカレーに至ってはインドマナーで、ナンを右手だけでちぎり、右手だけでカレーをすくって食べるという方法でとても美しく平らげてくれた。実はサモサも作ろうかと考えていたのだが結局辞めた。しかしながら、サモサを作らずに正解であり、というのはYogeshがZürichのインドショップでサモサをお土産に買ってきてくれたのだった。ニアミス。これまたベジタブルサモサですごく美味。

さて、わたくしの似非インドカルテ
サラダ(ノン出汁)、ライタ(紫玉ねぎ、キュウリ、ヨーグルトのサラダ)、サブジ(じゃがいも、ズッキーニ、玉ねぎ、茄子、大蒜を水なしで大量のスパイスとともに煮込む)、チキンとガルバンゾ−のココナツミルクカリー(1日前より仕込む)、ナン(ナンにはヨーグルトいれてこねました)、チャイ(インスタント!)、ビール、ビール、ビール、、、。

Yogeshの話。
インドにいたころ、彼自身はベジタリアンだったのだが、日本に行くということを決めた際に、ベジタリアンで生活していくというのはなかなか難儀なことであるとおもったらしく、インドにいる際に鶏肉を食べるように努力したのだそうだ。動物を殺して食べる、ということが宗教上なのか彼自身の信条なのかはよく分からないけれどそういうのがNo.なのだ。インドに戻ったらベジタリアンに戻るだろうといっていた。なんせ親族一同ベジタリアンということもあるしインドではベジタリアン用の味付けのものがたくさんあるとのこと。
お姉さんの結婚式は400人!集まるのだそうです。3日間に及ぶ祝祭のようで、1,2日目は2時間くらいの小さいパーティをやり、最終日は400人が収容できるホールに集まりみんなでお祝いをするとのこと。400人ってすごい多いねというと、今のインドの家(マンションみたいなもの)には家族が住みだして15年。もちろんマンション全員の人を知っているし仲良くしているのでマンション全員を結婚式に呼ぶんだそうだ。いやいや、日本においては同じところに15年住んでいたからといって結婚式にはみんな呼ばないよなあということを思うとインドの血縁だとか友人だとか知りあいだとかを重要にする考え方は、Zürichで見かけるインド系の顔の方がお買い物に行くにも一家総出、先日の動物園でも相当な人数で行動していたことを考えるに、結婚式にマンションに住んでいる全員を呼ぶという考えかたにも通じる気がする。
インドで手に入るサイエンスの専門書はすべて英語で書かれておりヒンディー語でのサイエンスの専門書というものは存在しないようだ。よって、サイエンスを志す人というのは同時に英語ができなくてはならないということになる。インドの大学は英語の授業なのだそうだ。
国民的スポーツはクリケット。そしてチャイは紅茶の文化。エゲレスの植民地であったことを思い出しました。それでエゲレスのクリケットのチームがインドに試合に行くのだそうだが、インドのチームは結構強いらしくクリケットはエゲレスからやってきたのに、インドが強いのだよ、とちょっとおもしろげでした。

Yogeshが案内するよといってくれたので、機会を見つけてインドに行けたらなと思う。Yogeshに対して、おお、インドや、と感じたのは、カレーを右手で美しく食べたことに加え、チャイ(うちはあまり飲み物に砂糖を入れて飲まないが、チャイはお砂糖をいれるもの)に大量の砂糖をいれていたこと、証明写真のバックが真っ赤!だったこと。証明写真のYogeshは今現在のように眼鏡もしておらずなんだか違う人のようであった。