先週は夫の人が仕事でLuxemburg(ルクセンブルク)大公国に行ってしまって、一週間独り身だったので、Zürichで一番高いところUetliberg(ユートリベルク)に登ってみっか、と汗だらだらで登ってみたり(家からてっぺんまで歩いて2時間程度でした)、Kunsthaus Zürich(チューリッヒ美術館)のKatharina Frischを鑑賞したり、St. Moritz(サンモリッツ)行ってみっか、と、ZürichからChur(クール)まで、そこからRhätische Bahn(レーテイッシェ鉄道)に乗り換えて3時間半位かけてSt. Moritzに行ったりしました。ちなみにSt. Moritzでの滞在時間は3時間でしたが、その間にできたことは、ぶらぶら歩くことと、Giovanni Segantini(ジョヴァンニ・セガンティーニ)美術館見ること。St. Moritzはイメージ通りの高級避暑地でございました。駅からDorf(ドルフ・村)へ向かうとモダンな建物にKarl LagerfeldCHANEL, Marc JacobsLouis Vuitton, Louis-Ulysse ChopardのChopard, Miuccia PradaPRADA…..と大御所が勢ぞろいです。謎の5つ星ホテルには黒いロール(@haruki murakami)・ロイスが並び、Mammutを着た私はMammut着てるけどこんなんじゃいかん、と思ったり思わなかったりそんなことはどうでもよくてHans Castorp(ハンス・カストルプ)青年のDavos(ダヴォス)もこんな感じなのかしらとこれまた思ったり思わなかったり。

しかしながら、セガンティーニ美術館は行ってよかったなあと思いました。小さな建物だけれど、2階が入口で3階がかの有名なアルプス三連画、”Leben-Natur-Tod(生−自然−死)” (Werden-Sein-Vergeben(生成−存在−消滅))の大きな絵画が鎮座ましまして、彼独自の分割法という描写法のなせる技なのか、暗いところ、明るいところ、はたまた、人間や草や動物が目で見ている以上にリアルに描きだされ、ぎゅんと吸い込まれるような美しい風景画を、でもその背景には常に生と自然と死というのが潜んでいるそんな絵を見ることができました。小さいガイドに耳を傾けながらひとつひとつ絵の説明を聞いてじっと見ていくというのは、こがんこともこの絵の中には含まれてあるとー!ということが多くいろいろ勉強になりました。ちなみに、スイス・フランの100CHF紙幣にもその作品が描かれている、Albert Giacometti(アルベルト・ジャコメッティ)はセガンティーニの弟子だったようで、かつ、パトロンが同じ医師だったそうなんだそうで、いろいろつながっておるなあ、と。

帰りの電車もこれまた同じRhätische Bahnで3時間半。St. MoritzからZermattまで結ぶ世界で一番おそい急行列車Glacier Express(氷河急行)と途中まで同じ道を走ります。双方の列車とも、これまた有名な長さ136m、高さ65mのLandwasserviadukt(ラントヴァッサー橋)を走りますが、今は工事中で橋のすべてにスイスの色でもあり、Glacier Expressの色でもある赤い布が上から下から右から左まで掛っており、自然の風景の中に突然飛び込んでくる奇妙な赤色がこれまた面白いです。それから車内放送はドイツ語の次にやたらと巻舌の多い言語、そして英語だったのですが、このやたらと巻舌の多い言語は、スイスの公用語のひとつRötoromanisch(ロマンシュ語)なのでした。この言語はSt. MoritzのあるKanton Graubünden(グラウビュンデン州)のほんとにわずかの土地でしか使われていない言語。初めて耳にしましたが、アールの次これまたアールが続いているのか、よって巻き舌が続くという発音がものすごく大変そうな言語であるなあと車内放送を聴きながらひとりかも寝む。

それから日本の皆さんに朗報、かも、しれません。セガンティーニ美術館の受付の女性が、2010年か2011年に日本でセガンティーニの大きな展示をやるので楽しみにしていてね、とのことでした。こんなことを書いていいのやらとおもいましたが記録のために書いておきます。果たして。