Bolognaには2本の塔がそびえ立っている。Torre GarisendaとTorre Asinelli(トッレやらアシネッリやら発音が面白い)。イタリアで、と言わずとも、斜塔と言えば、パブロフの犬のようにピサの斜塔が浮かんでくるかと思うのであるが、ここBolognaにも斜塔がある。この2本の塔のうち、前者、Torre Garisendaは建築時の基礎段階からすでに問題があり(This is Italy!)、14世紀のころに、傾きすぎたので上から12m切ってしまいなさい、ということで切られた塔。本来は60m。

ちゃんとまっすぐ(た、たぶん)立っているTorre Asinelliは上まで登れる。余談ですがスイスは標高がイタリアのそれより高く、スイスにいてハイキングやらジョギングやらをしていたせいなのかどうなのかはわかりませんが、無意識に高山トレーニングになっていたのでしょうか、塔のてっぺんまでの延々と続くかと思われる階段を登りきっても殆ど息切れしませんでした。夫の人とちょっと感動しました。で、上から望むBolognaはテラコッタ色と霧とで美しく、はたまた上から望む切られたTorre Garisendaは上から見てもちゃんと傾いていました。

Bolognaの城壁の内側を歩いているとうっとりするようなテラコッタ色の建築物ばかりがずーっとずっと続くので中世から近代をすっとばしてそのまま現代にいるような錯覚に陥ります。石でできた建築物に囲まれた場所に住んでいる人々は、日本の木造建築で壊して立てて、また壊して立ててという場所に来たらどう思うのであろうかと思う。私は木造建築も好きですがね。お寺の縁側を歩くとギイギイいう仕掛け(名前が忘却の彼方)やら木のにおいとかね、好きです。ちょっと城壁の外側も歩いたのですが、城壁の近くということもあるのかどうか、新しい近代的な住宅の壁もすべてテラコッタ色。

またPiazza Maggioreのそばには市があります。小さいお店が所狭しと。Zürichはドイツ文化圏なので(のせいなのか?どうなのか?)どちらというとソーセージがメインのような気がしましたが、こちらのお肉屋さんはお肉はもちろん何といってもハム文化でした。Parma産(パぁルマッ)のハムが豚の足の形のまま上からずらりと垂れ下がっており壮観であり、ブーブーブーブーブーと鳴き声の合唱が聞こえてきそうでした。Parma産だけではありません。ここBolognaのハムもあり、Mortadella(モルタデッラ、ほらきた!デッラ!)という名称。円形で薄い桃色に白い脂肪の塊が水玉状に配置されたあのハム。スイスで食べたときは何かちょっとべったりして脂っこいなあと思っていたのですが、そらあ本場ですけんね、本気だしますよ、ということなのか、鼻血がでる美味しさでした。建築物にも本気出そうね。そして、スイスでも本気出してね、と念じておきましたが、果して。