スイスにきて2日目のこと。

スイスに行く前から、今年中にStrasbourgに行くというラボのAnnaから家具を譲ってもらうことになっており、かつ、運搬は勤務先のレンタカー(車を貸し出すシステムがあるので驚いた)、また、ボーイフレンド(名前失念、職業はシェフ)が手伝ってくれることになっていた。こちらでは、友人や仕事仲間などで引っ越しを手伝うことが結構普通なようである。

Melanie&Damienが今住んでいるところは、Annaとボーイフレンドが以前住んでいたところで、ゆずってもらう家具はそこの地下(スイスには建物に必ず地下室があります)に置いてもらっていた。そこから、住むことになるアパートメントまで運んで家具をいれるという手順。さて、運ぶとなれど、家具は、ベッド枠、ダブルのマットレス、泊まりに来た人用のシングルのマットレス、木製の棚、アルミ製の棚、テレビ、テレビ台、ガラスの扉などがついた大きめのキャビネット、机(1m x 2m)、スタンド照明、デスク用の照明、掃除機、の結構な数であるが、キャビネットや棚やベットは分解されていて、さらに数は増える。

住むことになるアパートメントは5階建ての5階。スイスの建物、特に住居はリフトがあることはまれで、私たちのアパートメントはもちろんまれではない方である。つまりは、リフトがない。気が遠くなったが、遠くなろうとどうしようと、家具はアパートメントの前で鎮座ましましているので、淡々と階段を使って運んだ。

スムーズには運ばせてくれないのか、運搬の途中でキャビネットのガラスの扉部分の片側が見事にガッシャーンと割れてしまった。呆然とする。しかしながら、キャビネットの重さはガラスの割れた部分を差し引いても手がしびれる重さなので、キャビネットを部屋にいれた。Annaが通りかかった少年にほうきを貸してくれないか、と聞くと、私たちの下の階の家族の子で、お母さんに頼んで貸していただいた。実はこのお母さん、Annaがドイツ語で話しかけてもだめで、英語で話しかけてもだめで、ポルトガル語を理解するお母さんだった。Annaはイタリア語を話せるので、というのは、ボーイフレンドの主たる言語がイタリア語だからであるが、おそらく、それでなんとか通じたのではないかな、と睨んでいるのだが、はて、今になってはわからない。ガラスは4階部分の踊り場でガッシャーンと割れ、その破片たちは、重力には一切逆らいもせず、あらゆる隙間をめぐりめぐり1階まで広がっていた。家具の運搬はいったん中止。箒で掃くことしばし。その間に、Annaとボーイフレンドには家具を取りに行ってもらっていた。

そんなこんなで、Annaとボーイフレンドには、2台の車で3往復してもらい、私たちは、コートを着ないと寒かったこの日でも、何十往復という階段の上り下りで汗をかいていた。Annaとボーイフレンドには感謝。
なお、ガラスの扉が割れてしまったキャビネットはまあ仕方ないので片側だけ扉がある状態で使用している。何ら問題ない。