ラボのロレンツォに誘われ、EURO2008のスペイン対ロシア戦を見に行く。もちろん試合会場ではなく、無料で提供されている屋外の観戦場に向かう。

ラボには40名位人がいるらしいのだが、そのうち20名位がいく。エリーザ(ルー・ドワイヨン似)は赤いTしゃつにジーンズの短いスカート、黄色いタイツにベージュ色のブーツを履き、大きなスペインの国旗をワンショルダーにしている。その相方の女性(名前は失念。シャルロット・ゲンズブール似、つまりはジェーン・バーキンつながり)は、赤いタンクトップにジーンズ、スペインの国旗は腰に巻きつけて、他の男性やら女性やらも赤と黄でスペインの国旗をあらわしていた。しかしながら、行く途中からスペインの国歌らしきものを大声でうたったり、赤と黄を着ている通りすがりの人がいれば、「エスパーニャ!!」というし、会場のZürichsee近辺になると出店がたくさんあるのだが、おっちゃんが、うたう歌に合わせて笛を吹いたり、最初からテンションが高い。それから、出店にポール・ダンスのお店があった。お店の仕切りなんてない。あんなにあけすけでいいの?パンツは丸見え。

前半は教会の鐘の下の広場がカフェになっていてそこで観戦。そこで、カーラとその夫に挨拶。カーラとその夫が話すクイーンイングリッシュは、アメリカンイングリッシュともヨーロピアンイングリッシュとも異なる。もちろん私の話すイングリッシュも聞き手からすれば異なるのだろうが、あまりの違いに、悲鳴を上げたくなる。ま、慣れよう。そういえば、私たちがスイスに来た時の飛行機は後ろの座席に、これからオーストリアに行くんだというおっちゃんが座っており、そのおっちゃんは、スイスに近づくとテンションが上がってきていたのだが、おっちゃんは、レイニーをライニーといい、エイトをアイトと言っていたのを思い出した。その人が使う主たる言語の発音をそのまま英語にも適応しているからなのだろう。
その後、公式の観戦場らしきところにいき観戦。しかしながら、天候はだんだん悪くなってくる。雨は降り、風は吹き、雷は鳴る。スペインが3点を入れたところで退散する。

ここまでは、まあ、普通。
さて、土砂降りのなか、途中までトラムに乗り、そこからカフェへ向かう。

トラムの中では、スペインが勝つことを確信しているので、テンションはさらに高い。声も大きめ。The SupremesのStop! In the name of loveを振り付で踊る。ダイアナ・ロスさながら。特にBefore you break my heartのマ、ハーのところは、白目剥いて頭をのけぞる。それを何回もするし、私たちもげらげら笑うし、乗客も笑う。
さて、トラムを降り、目的地のカフェまで走る。もちろん土砂降り。「いい、信号がグリーンになったら、あそこの軒下まで走るわよ!!」というのが6回くらい。ギャーギャー言いながら走る。エリーザとスペインの国旗を傘にして走る。カフェは単なる待ち合わせだったようで、そこから人の家に向かう。

途中メキシコからきたという兄弟?姉妹?で誰かの知り合いも合流し、部屋には15人近くが集合。音楽を盛大に流し、延々と踊る。あけすけなく、本当に自分が楽しんでいるというオーラがたくさん発散されていて見て気持ちがよい。踊るのを誘い誘われ、休むことなく、延々と踊るのだ。メキシコ兄弟姉妹はリズムの刻みが素晴らしく、サルサの要領。窓からエスパーニャの国旗を垂らし、外から声をかけられると、これまた歌う。この部屋は5階に位置しているというのに。踊っていると、エリーザは日本の曲で好きなのがある、といって、何かと思うと、「シンゴママ!」。それで、ふっと思い出したのだが、先週、Christofが日本で知っている曲は、「ピチカート・ファイヴ」と言っていた。素晴らしい、小西康陽ワールドはここまで広がっている。You tubeで「シンゴママ」を探し、完璧な振り付けで踊る。音楽はやむことなく、踊りもやむことなく。床は揺れていたが、これはエスパニョール・マナーだから大丈夫なんだそうだ。



まだ序の口。

午前様近くになり、私たちは退散。帰りの歩く道も楽しかったことを延々と話す。なんというか、まったく気取りのない、緊張を強いられない。
もう一つのエスパニョール・マナーと言えば、お昼ごはんは2時から始まって、ゆっくり食べて、Siestaをして、夜ごはんは10時から、というもの。

結果、スペインは4:1で勝ちました。

11日はスイス対トルコ。