MelanieとDamien夫妻のディナーに誘われた。

Melanieは、南アフリカ共和国ケニアで育ったが、ジュネーヴの出身。ジュネーブはスイスでもフランス語/文化圏であるので、同じくジュネーヴ出身のDamienと会話をするときはフランス語。スイスにきて思うことは国籍がどこであるとか何人であるという区別はどうでもよくなること。つまり、この人は何人というのではなく、この人は何語を主たる言語として用いる人というような感じ。

二人は合衆国に住み、シンガポールに住み、いまスイスに住んでいる。Melanieはシンガポールの文化を好んでいるようで、初めてお会いしたときに、シンガポールのCHANGI空港はよかったというと、誇りに思うわ、と言っていたくらい。そして、絵画もされていて、部屋の隅には、木箱に入った道具が鎮座ましましていて、部屋の壁にはMelanieが描いた素敵な絵が飾られていた。ほしいなと思う。

さて、まずは、アペリティフから。
デッキに机と椅子を出して、飲み物とスナック菓子とトマトがでる。アペリティフはだいたい30分くらいで、ディナーの前に食欲を増進させる効果を狙っているもの。二人とも日本食日本食と言えば等式が成り立つようにSUSHIが好きなようだ。SUSHIについて書いている本を持ってきて、一緒に見るが、ウニの説明が、えびの卵、となっていた。そして色も黒い。なんというか、インチキSUSHI本の様相で見ていて非常に面白かった。

そして、ディナー。
燭台のろうそくに火をともして、持ってきたスイス・ティチーノ地方の赤ワインで乾杯をして、まずはサラダから。
その次にモロッコ料理のタジン。MelanieもDamienもいろんな文化を拒否することなく、自然に受け入れている感じを受ける。特にMelanieの受け入れ方、感じのよさは見習いたい。ダジンは鋳物の(ル・クルーゼよりごつい)をそのままテーブルに持ってきて食べる。羊肉なんだけれども、全く臭みがなくておいしい。4人でぺろり。
ヨーロッパ式に従って、チーズとパンが出てくる。スイスのグリュイエールとフランスのブリー(例によって、フランス語を主とするので、Rの発音がすべて喉鳴らし、前者は、グヒュヒィェル、後者は、ブヒィーと聞こえる。)。うれしい選択。これまたアイスクリームと同様で日本で食べていたチーズは何だったのかと自分の頭をごちんと叩きたくなるくらいのおいしさ。
最後にデザート。苺とカスタードクリームのタルト。

つたない英語だけれども、二人ともとても丁寧に会話をしてくれて、あれよと言う間に、11時が過ぎてしまった。
さよならをして、家までかなりある距離を歩いて帰った。途中きつねをみた。