いろこっさんのこと

海のない国から海のない県に船便でやってきたマウンテンバイク。あっちでは、あんまり乗らなかったのですが、うちは一級河川のすぐそばで、偶然にもそこは川沿いに自転車道が完備していて、ロード用のバイクを乗って、キメキメの格好をした男性方がびゅいびゅい言わせて去っていくのを見ながらこっちもぶいぶい言わせて乗っています。
さて、一級河川といいますと、私の感覚では、うちの地元から久留米に行くにはこれまた一級河川筑後川こと筑後次郎さんが、ものすごい幅を効かせて、そんじょそこらのことでは微動だにせず、どんとおる、という感じなのですが、こちとら一級河川とはいいますが、ここから関東平野の始まるところでつまりは上流なので、市内を横断するこの川は、け、渓流であって、耳に聞こえてくるその音は、山に行ったときに流れる、渓流のそれなので、最初に来たときは市内を渓流が、というので驚いたのでした。
で、自転車にまたいで隣の県まで行ったときに、あれはどうだったのか忘れてしまいましたが、自転車から降りて一時停止をしていたときに、後ろから自転車が来たので、よけんといかんというので、よけようとしたら、「よけてもらわなくても大丈夫ですよ」と、キメキメの格好でロード用の自転車にまたがっている男性と遭遇。その男性はどうやら私達が出発した場所からそう遠くない場所で、私達とすれ違って挨拶していたというのを覚えていたらしく(もっとも私はペコリとやらこんにちはとやら挨拶はしますが、ビュンと過ぎていってしまうので、顔はあまりみていない)、男性も止まってひとしきりおはなし。自転車歴は私達が生まれる前という大先輩の67歳。自転車をたくさん持っているがために、それを乗せて遠くに行って自転車に乗ったりするために、最初に買った車はトヨタハイエースで、ご自身の結婚式の時にハイエースに乗って式場にやってきたらしく、奥さんに呆れられたとかなんとか。市役所の◯◯課に行くと地図がもらえるから行くといいよとか、機械科出身だから手にとってわかるものじゃないと信用できないとか、でも、最近はそうでないものも信じるっていうのもいいかなとか。かなりの長い時間の立ち話で、おすすめのおまんじゅう屋さんがあるから付いておいでというので、付いて行く。いろこっさん(男性の名前)はそんなに背は高くない。けれど、筋肉がしっかり付いているようで、はりっとしている。いろこっさんの後ろに追随していくと、いろこっさんのふくらはぎが、みごとに膨らんでいて、私は、驚きました。それで、おまんじゅうやさん。これを10個も買ってくれた、もう10個買って、それは、いろこっさん(男性の名前)が通っている自転車屋さんに持って行って、自転車屋さんがだしてくださったお茶と一緒にご馳走になったのだが、あまり甘くないあんこがむぎゅっとたっぷり入っていて、外の皮はむちっとしていて、とても美味しいのでした。自転車屋さんはなんと4代目のご主人で、面白い方でした。地域を活性化するためにいろんなことをしていらっしゃるし、ご自身主催の自転車のイベントもしていらっしゃる。いろこっさんは、首から自転車用のものっすごい小さなスパナをぶら下げているのですが、それと4センチくらいのハーモニカも一緒にぶら下げていて、一曲「ふるさと」をお披露目してくださいました。いろこっさんは、出し惜しみしないというか、何でも知っていることを話してくださる方でした。連絡先を交換して、分からないことがあったら電話なりしてください。ということでお別れしたのですが、すぐさまメールを送ってくれて、なんだかとても嬉しかったのでした。今後もゆるいお付き合いがありそうです。