京都を去り、夫の人のおばあちゃん(おばあちゃんの手作りお味噌は最高です)宅、そして夫の人の実家へ向かう。なんせ、わたしたちは結婚と同時に日本をえいやと飛び出してきたので、この国には私たち二人が生活を営む家はなく、それでなければお互いの実家しかないのであって、まあ、いうならば家なし夫妻なのである。もちろん定額給付金とやらももらえないよ。太郎さん。で、JR岡山駅より特急しおかぜ乗り、いよかん県坊ちゃん市。特急しおかぜは岡山から瀬戸大橋を渡り坊ちゃん市まで行く単線を走る列車で、平日ど真ん中のこの日は空いているであろうと高を括っていたらスーツ姿をした中年男性でびっしり。ま、考えてみれば当然のことで、いよかん県の沿岸部は驚くくらいに工場が立ち並んでおり、そこに向かう人で多いのであった。

夫の人の実家では、私はだいたいが朝方なのに(通常は6時起きですが、今はお弁当作成のため5時半に起きとるんです)、毎日どう頑張っても10時くらいにしか起きることができなくて、6日間の滞在でしたが、あーっという間に一日が過ぎていく感じがしました。海をまたいで私の実家では67歳の父親が3月末にようやく退職し庭の手入れとかをちょいちょいやっているようで、半年前よりもきれいになっていたのでビビりました。あと、歩くことも始めたようで、知らない小道やら途中で見かける古墳やらを逐一説明してくれて(結構詳しいので何かボランティアやったら、と思いましたが、、、。)、一緒に300m弱の山まで家から歩いて上りました。また、弱小といったら怒られるけど、父は地元のプロサッカーチームを応援しているので、練習も一緒に見に行きましたが、とってもとっても有名なゼネラルコーチ?(?、ですみません)の方が自ら声をかけてきて、私がスイスに行っていることを知っているらしく、そして、そのゼネラルコーチ?もドイツ語をちょっとだけ話せるらしく、突然「Guten Tag」と言われたので、私のほうはドイツ語が出てくることを予想してなかたわけであわてて答えました。そんなこんなで、いろんな人にも会い、実家での6日間も終了。

帰りは大阪に1泊。夫の人の知り合いの人と日本酒とマグロを食べに行く。まぐろの酒盗、まぐろの目の周辺を焼いたの(私の顔くらいあってぶりぶりのでろでろでした)、まぐろの刺し盛り(5種類あって非常に厚みがありとろけるうまさでした)、まぐろのカマの塩焼き(ええと、私のすね位ありました)それでそのほかもちょいちょい食べて、私は日本酒をどう頑張ってもワインのように美味しいと思えない、これは体質なのでしょうか、仕方ないのであるが、最後にお店の大将が出してくれた、お酒になる前の、さらに、どぶろくになる前の、いまがっつり発酵してまっせ、という飲み物が一番好きでした。それまで、いろんな日本酒を出してもらい、たぶんに美味しいのだろうけれども、ごめんなさい、日本酒の味のわからん私ですと思いながら飲んでいたのですが、このどぶろく前(と名前をつけます)は、なんというかお米のヨーグルトのような味がしました。そして発酵真っ盛りなので、炭酸が効いていてぴりぴりもする。残っても仕方ないから、というか明日になったらもう飲めないので、と言って大将は全部ついでくれました。おいしゅうございました。ごちそうさまでした。こんなに飲んで食べたのに1万円と少し。え、こんなに安いのと思いました。また行きたいお店です。

あっという間の一時帰国でしたが、離陸の瞬間も日本が名残り惜しいなと思うことはなくて、スイスの上空に入ったとたんに見えてくる、緑の丘と集落、牛とヒツジが放牧されている風景を見ると、おお、戻ってきたな、と同時にほっとしたというのはなぜなのでしょうか。やっぱり、どこであれ、自分たちの家があるということがほっとさせる要因なんでしょうかどうなのでしょうか。ちなみにおばあちゃんの手作りみそを背中に抱えてきましたが、特に何かに引っかかるということは全くありませんでした。