ZürichのZoo(ツォー・動物園)に行く。
ZooはZürich湖の左岸(国立博物館がもともとお城なのでそこから考えるに左岸。フランスでの表現のようだ)の山手に位置しており、前日の積雪が下界ではすでにほとんどんなくなっていたものの、Zoo行きのトラムに乗り山手へ向かっていくとそこは一面銀世界。気温もぐっと下がって視界は雪と霧とでもんやりしている。積雪しているなんとか園、、、というので記憶しているのは、日本出発前に行った京都にある府立植物園である。私たちが行った時は雪がごんごん降っていて、こんな日に植物園に行こうなんて考える奇特な人というのは、なぜか一人で来ているおっちゃん、小学生のカメラ同好会(なのに、ごついカメラを首からぶら下げていた)と私たちくらいだけだった。よって、積雪の上に最初に足を踏み入れるのは私たちという場所がとても多く、また線対称の庭園においてはここはどこかしら西欧かしらといった感のある風景が広がっており、桜の木の大群は葉も芽もましてや花もついていないのにもかかわらず積雪のおかげでかまるで満開のようであった。


さて、Zoo。
私はよく知らないものがたくさんあるのだが、寒さに耐えうる動物の種類ももちろんよく知らない。よって、Zooに到着したときに、はたしてこんなに寒い中で外に出ている動物を観察できるのであろうかとおもっていたが、結構な数の動物が積雪しているなかで外に出ていた。フラミンゴも出ていた。ここのZooは人と動物の間の檻をほとんど感じさせない。ある種類の猿(例によってよく分からない)に至っては何の囲いもしていない木のところにたたずんでいた。ナマケモノは何の布がぶら下がっているのかと見間違えるほど存在感がない。いや、大きいのは大きいんだけれども、何かがいるという雰囲気を感じさせないという存在感のなさであり、ゴリラの大ボスのしぐさはおっちゃんのしぐさであり、その横になった後ろ姿はおっちゃんの後ろ姿であり、ごマフアザラシはネッシーのようである。オオカミは初めてその姿をじかに見た。逆三角形の顔で白い目と細い脚とグレーとベージュの微妙な色合いの毛並みとそのたたずまいにうっとりする。しぐさは犬だが。豹や虎も毛並みが本当に美くライオンの雄は例によって例の如く、期待をしっかりと裏切らずにぐたーっと微動だにせず寝ころんでいた。しぐさは猫だが。象とラクダの頭数はちょっといったいどんなマネーがあるのかねと疑いたくなるくらい多かった。福岡市動物園は象は確か2頭でラクダは1頭だった気がする。人口はZürichの3倍以上であるが。熱帯園に入るとメガネは曇りっぱなしでカメラは飽和状態でありレンズも何もかも液体が滴るほど湿ってしまった。拭っても拭っても飽和状態、と詠んでみる。

動物をじっと観察したいという欲求と寒さに耐えられないという二つが拮抗しましたが、結局は寒さに耐えられなくなってしまい4時間程度でZooは終了。ちょうどトラムが出る時間だったので、雪の中を走って乗り込みました。週末のジョギングが功を奏しまし、何ら問題なく走れました。