夫の人に三行半を突きつけ、朝は5時起き、サンドイッチを作って、チューリッヒ駅に逃げる、、という、冒頭の読点まではフィクションであり、夫の人はMeeting、私はそれに便乗してFranceはStrasbourgへの一人旅。列車も別で向こうでも一切夫の人とは一緒にならないという旅。
おフランスへの鉄道といえば、TGV。せっかくの機会でもあるので、切符を買いに行ったけれども、すべて予約で満席。よって、乗り換えが必要な普通の特急にのることにする。私は、Half Fare Travel Cardというのを持っており、年間150CHFでスイス国内のすべての列車、トラム、バス、湖上バスの金額が半額になるというもので、それを提示して購入すると格安。しかしながら、いったいどこからどこまでの金額が半額になっているのかは不明だが、兎にも角にも、Zürich HBからStrasbourgまで往復で97CHFであった。

ちなみにサンドイッチの中身は、駅地下のサンドイッチを参考に、パンを半分に切って、マスタードを塗り、ルコラ(シュバイツ・ルコラは日本でみたルコラとは形が全くちがうのです)、ドライトマト、モッツアレッラ(クリスの彼女さん、リビアの指示に従いバッファローのモッツアレッラ)、ズッキーニのマリネ(昨晩のうちに仕込んでおきます)、ハム、最後に黒胡椒をガリっと仕込んではさんで出来上がり。

さて、天気は悪天候。半そでで出発してみたものの、寒いので薄手のセーターをがぼっと着る。Zürich HB→Basel(EURO08の試合のあったところ)→Strasbourgの2時間半の旅。Baselの駅でフランス領に入るのだが、不透明なガラスの扉の上にFRANCEと書いてあり、窓口みたいなものがあるが誰もいない、検査するような個室があるけれども誰もいないので、えいとはいってみると、スイスの駅の機能的なつくりから一転、雰囲気の違う駅舎。Oui et Nonで町中に犬の糞がいっぱいあるからハイヒールを発明したという、フランスなのであるなあ、と思った。

フランス国鉄の座席はスイスのそれとは違ってゆったりとしたつくりになっていた。

窓からの景色は、これまたスイスとは一転、農地が延々と広がっており、ああ、フランスは、農業国なのだな、ということを改めて思う。

さて、Strasbourg。
わたしは事前に50EURO札の1枚を持参してきたのだが、駅舎のお手洗いに行くと案の定、0.5EUROを支払わなければならない。コインでなければならないと知っているはずなのにで、何を血迷ったか、50EUROを窓口に提示すると、コインだけしか使えないわ、ということを言われ、駅舎のなかのコンビニのようなところで1.2EUROのチョコレート・バーを買い、コインを作り無事お手洗いに行けた。
ストラスブール大聖堂。遠くからはてっぺんの塔はちらちらと見えるのだが、全体像が見える場所というものがないようで、いきなりどんと現れる。ゴシックの極み。ウワーと歌声が聞こえてきそうな雰囲気。






もうひとつ聖堂(名前は失念)に入ると、こっちはもっと静かな感じである。なんと、モーツァルトがここにきて演奏をしたのだという。モーツァルトが弾いたという、パイプオルガンのような(というのは、引いたり、押したりするボタンがあるのでそう思った)ものが飾られていた。


アルザス地方の典型的な建築物が残っているというプティ・フランス地区も行ったが、まあ、ツーリスティックですのう、といった感がある。
ぐるぐるぐるぐると4時間くらい歩きまわり、駅前の広場でサンドイッチを食べた。うまし。馬鹿な私はお土産も買わず、カフェにも入らず、使ったお金が、1.7EUROとお手洗いとチョコレート・バーだけ。そしてチョコレート・バーは未だもって食べておらず、家の冷蔵庫にひっそりいるのである。はたしていつ消費されるのであろうか。

せっかく観光に行ったはずなのに、天候のせいか、自分のへそ曲がりのせいか、純粋に感動ということはほとんどなく、冷めた目でしか見られなかったというのが事実。

帰りはせっかくなので、Baselで降りてぷらぷらと歩く。トラム・バスの券売機がZürichと違うのだな、とか、まだ17時くらいなのに、木曜日なのに、みなさまカフェにたたずみビールを飲んでおるところをみたり、建築美術館の前の不思議な噴水の前で座って呆けたり、スイスに入ったとたんになぜか心落ち着く。

以下、気づいたこと。
・地図を持たずにぷらぷら歩くのもまたよし。
・Zürich−Basel間は往路も復路も切符のチェックがあった。
・Basel−Strasbourg間では切符のチェックがなかった。
・フランスでは列車の発車時に笛を鳴らす。
・物乞いの人が結構いた。
・お土産屋さんは駅には一店舗しかないので要注意。プティ・フランス地区で買うとよい。
目抜き通りはにぎわっているが、その隣の通りはすごくひっそりしている。何がでるかわからないという。
・夜は歩けないと思う。