BremgartenのMusikalissimoが最終日だったことを思い出していく。

パンフレットを見るとあらゆるところに小さなステージが設けられていて勝手に見ることができる。祭りだからといっても人がすごくゴミゴミしていることは、空気がゆるく感じられて川沿いでサンドイッチをほおばり、スタッフであろうガールとボーイの休憩中を後ろから眺めたり、橋のたもとのアイスクリーム屋さんが繁盛しているのを見、おじさんがダブルのアイスをおいしそうに食べていたので、私たちもいただく。子犬が寄ってきて、アイスクリームの匂いがする私の口元に鼻をふんふん当ててきて、飼い主の方が、「OH!」と言っていた。犬の鼻は黒ぐろとしていて、しっとり湿っておりいたって快調であるらしい。事実、私の頬は犬の鼻でしっとり湿っていた。
途中、ブラス隊の行進を見たり、ファゴット(もしかするとバズンかもしれない)、オーボエクラリネットのトリオの優しい演奏を聴いたりする。パンフレットの説明にスウィング、ディキシーランドジャズとあるバンドがあるので、そこに行ってみる。St. GallenのAltstadt Ramblersというバンドらしい。素晴らしい演奏を披露してくれた。バンジョーとギターとボーカル担当のおじさんは、うっとりするほど良い声を持っていてとてもとても気持ち良かった。Herbie HancockのWatermelon Manはスウィンギンでもディキシーでもなかろうもん、というのは差っ引いても素晴らしい演奏でした。観客のおっちゃんおばちゃんたちも腰を振ったりして踊っていた。でも、誰よりも何よりものっていたのは、ステージの向かい側にあるカフェのスタッフの一人だった。私たちの後ろにまで出て来て、声を「ヒュー」とか「ブラーヴォ」とか出したり、ひとりで右から左へ踊ったり楽しそうだった。演奏の終りの方で、ビールの差し入れをしていたのは、非常に粋だなな、と。